2023.01.17
Chiba Prefecture, attractive and my hometown 5
『ゴジてれChu!』第1部の特集で、千葉県をテーマに取材しました。そのこぼれ話5です。
その1「成田山参詣には不可欠? 疲れを癒す絶品鰻重&おみくじ」は、こちらをクリック。
その2「国内外の玄関口でワクワク出来る場所へ! 飛行機ラブの撮影スポット」は、こちらをクリック。
その3「地元愛を凝縮 古き建物と地元農産物でもてなす地ビールと自家製ピザが美味い店」は、こちらをクリック。
その4「見所は船頭に聞け! 小江戸・佐原を舟巡り」はこちらをクリック。
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その3「地元愛を凝縮 古き建物と地元農産物でもてなす地ビールと自家製ピザが美味い店」は、こちらをクリック。
その4「見所は船頭に聞け! 小江戸・佐原を舟巡り」はこちらをクリック。
舟巡りに続いては、佐原の町並みや暮らしの一端を堪能できる、ちょっと変わった宿泊“施設”のロケです。
伺ったのは、こちらの建物。壁にNIPPONIAの文字があります。
NIPPONIAとは、日本の昔ながらの暮らしに光を当て、歴史的な建造物を活用しながらその土地の歴史や文化を守り、残して行こう…といった(私のこの説明では足りない部分も多いとは思いますが)取り組みで、全国的に行われています(福島県でも、西会津町楢山集落に宿泊施設があるそうです)。「佐原商家町ホテルNIPPONIA」でも「佐原町の古民家を残し、その古民家を生かして地域の活性化を目指している」との事です。
この佐原での取り組みを、VMG(ブイエムジー)という会社が担当しています。
さて伺ったこちらの建物、実は宿泊施設の“フロント”で、地元酒造会社の蔵を改装したものです。
「文献などは残っていなかったのですが、釘が江戸時代に使われていたものだった事から、江戸時代の蔵と考えられます。」
泊まる場所はというと、町中に点在する別の古い建物です。つまり町に残る味わいのある古い建物を「宿泊室」に見立て、そこに泊まる事を楽しむ、という訳です。
伺ったのは、こちらの建物。壁にNIPPONIAの文字があります。
NIPPONIAとは、日本の昔ながらの暮らしに光を当て、歴史的な建造物を活用しながらその土地の歴史や文化を守り、残して行こう…といった(私のこの説明では足りない部分も多いとは思いますが)取り組みで、全国的に行われています(福島県でも、西会津町楢山集落に宿泊施設があるそうです)。「佐原商家町ホテルNIPPONIA」でも「佐原町の古民家を残し、その古民家を生かして地域の活性化を目指している」との事です。
この佐原での取り組みを、VMG(ブイエムジー)という会社が担当しています。
さて伺ったこちらの建物、実は宿泊施設の“フロント”で、地元酒造会社の蔵を改装したものです。
「文献などは残っていなかったのですが、釘が江戸時代に使われていたものだった事から、江戸時代の蔵と考えられます。」
泊まる場所はというと、町中に点在する別の古い建物です。つまり町に残る味わいのある古い建物を「宿泊室」に見立て、そこに泊まる事を楽しむ、という訳です。
まずはフロントの入っている蔵「KAGURA棟」へ…。 |
酒蔵の蔵を改装。 |
今回、その宿泊施設の1つを見せて頂きました。
フロントから歩いて2分程、こちらの建物の中の中央です。
「こちらは綿の製品を保存していた蔵だそうです。ここは敷地に民家などもあって3つ全てがそれぞれ宿泊部屋となっております。」
フロントから歩いて2分程、こちらの建物の中の中央です。
「こちらは綿の製品を保存していた蔵だそうです。ここは敷地に民家などもあって3つ全てがそれぞれ宿泊部屋となっております。」
ここは製綿業を営んでいた商家の母屋や蔵を、宿泊施設に。 |
ロケで拝見したのは、真ん中の土蔵。 |
この蔵の両隣の建物も、それそれが“宿泊施設”。別の趣を楽しめる“部屋”なのです。
こちらが元母屋。 |
こちらが元倉庫。 |
今回ご紹介頂く元蔵の“部屋”には、確かにNIPPONIAの暖簾と「102」号室の表札が掲げられています。その上のYATAとは?
「これはアヤメの種類です。この辺りはアヤメが水辺に多く咲いていて、香取市の花も“アヤメ”です。そこで点在している宿泊施設に、それぞれアヤメの種類の名前を付けております。」
「これはアヤメの種類です。この辺りはアヤメが水辺に多く咲いていて、香取市の花も“アヤメ”です。そこで点在している宿泊施設に、それぞれアヤメの種類の名前を付けております。」
アヤメの品種の一つ「八咫の鏡」から、YATA棟と名付けたそう。 |
内扉を開くと、102号室の中だ。 |
そういえば、舟巡りの時にも「アヤメの咲く時期」をお勧めされましたっけ。
では、蔵の内側の重い引き戸を開けます。すると玄関には一枚の絵が。
では、蔵の内側の重い引き戸を開けます。すると玄関には一枚の絵が。
この奥が、今時の宿泊施設だ。 |
綿花の絵がお出迎え。下に置いてあるのは、現役の南京錠。 |
「綿を保存した蔵だったので、綿花の絵を飾らせて頂きました。」
そんな歴史も大切に、玄関の絵だけでなく、室内のテーブルにも綿花が飾ってあります。蔵と言うより、木がふんだんに使ってある部屋のイメージです。
そんな歴史も大切に、玄関の絵だけでなく、室内のテーブルにも綿花が飾ってあります。蔵と言うより、木がふんだんに使ってある部屋のイメージです。
製綿業だった事から、綿花の絵を。 |
部屋にも綿花が…。 |
また蔵で窓が少ないのですが、その分玄関脇の障子戸と間接照明が明かりを補ってくれています。
「どの宿泊施設にも、テレビと時計は置かない事にしております。」
佐原の歴史をゆっくり感じてもらう工夫です。
「どの宿泊施設にも、テレビと時計は置かない事にしております。」
佐原の歴史をゆっくり感じてもらう工夫です。
奥中央は、吹き抜けから日が射している。 |
間接照明が、窓の無い印象を無くしてくれている。 |
そして部屋の奥、ソファの辺りが最も明るいのですが、それもその筈、吹き抜けがありました。
「昔は2階に物を運ぶのが大変だったので、この吹き抜けから井戸の釣瓶のような形で荷を上げていたんです。それをそのまま利用しています。」
蔵の中では吹き抜けの先の窓が、1・2階双方の明かり取りにもなっていました。
「昔は2階に物を運ぶのが大変だったので、この吹き抜けから井戸の釣瓶のような形で荷を上げていたんです。それをそのまま利用しています。」
蔵の中では吹き抜けの先の窓が、1・2階双方の明かり取りにもなっていました。
吹き抜けからのガラス越しの外光が優しい。 |
ここは元々荷の上げ下げに使っていた。 |
その2階にお邪魔すると、そこは寝室になっていました。
「柱や梁、壁などは全てそのまま利用しております。4人までお泊りになれるので、1階に更にベッドを用意する事も出来ます。」
ベッドから見る風景は昔の和、しかし目を閉じて寝る時は今時の安眠できるベッド、そういう昔と今の良いところ取りをしたホテルとも言えます。
「柱や梁、壁などは全てそのまま利用しております。4人までお泊りになれるので、1階に更にベッドを用意する事も出来ます。」
ベッドから見る風景は昔の和、しかし目を閉じて寝る時は今時の安眠できるベッド、そういう昔と今の良いところ取りをしたホテルとも言えます。
やや勾配のきつい階段を上ると… |
寝室となっていた。 |
「全部オーナー様がいらっしゃる建物です。その方々の想いもありますので、出来るだけそのままに残して、雰囲気を壊さないように現代の物を合わせていきます。」
1階の綿花や一部の家具はその建物の歴史を表し、手を付けない所はオーナーの意向と建物を生かした趣を重んじている訳です。
1階の綿花や一部の家具はその建物の歴史を表し、手を付けない所はオーナーの意向と建物を生かした趣を重んじている訳です。
梁も昔のまま。”ホテル”でこういう梁の見られる部屋は、なかなか無い。 |
家具にも歴史を感じる。 |
一方でこの組小細工のある戸の向こうのお風呂は檜風呂、トイレは洋式温水洗浄便座と、利便性を高めたり、贅を尽くしたり、リノベーションで過ごしやすい非日常感を醸し出しています。
「いま古民家は、オーナーの皆様自身が使うだけでは維持できないものもあります。それを我々が借りて利用する事で、古民家を残したいという想いがあります。」
オーナーから古い建物を借りて最小限のリノベーションする事で、建物を利活用しながら維持する仕組みなのです。
こちらの施設は1人35000円~。旅行支援などを巧く利用すれば、いつもよりも割安に泊まる事が出来ます。
「いま古民家は、オーナーの皆様自身が使うだけでは維持できないものもあります。それを我々が借りて利用する事で、古民家を残したいという想いがあります。」
オーナーから古い建物を借りて最小限のリノベーションする事で、建物を利活用しながら維持する仕組みなのです。
こちらの施設は1人35000円~。旅行支援などを巧く利用すれば、いつもよりも割安に泊まる事が出来ます。
風呂・お手洗いの手前までは、昔の雰囲気のまま。 |
組子細工も、最近の住宅では少なくなってきた。 |
因みに宿泊施設の支配人は旧佐原市生まれ。
「地元が大好きですし、この良さを知ってほしいし、残したいんです。」
そんな地元愛がオーナーの心を動かし、古民家を残し、ひいては町の良さ・財産・歴史を残し、しかも活用するという仕組みが機能しています。
「地元が大好きですし、この良さを知ってほしいし、残したいんです。」
そんな地元愛がオーナーの心を動かし、古民家を残し、ひいては町の良さ・財産・歴史を残し、しかも活用するという仕組みが機能しています。
町内に、ほかに3つの”宿泊棟”がある。 |
フロントからYATA棟に向かう途中にある酒蔵。 |
そしてこの点在する建物を佐原町商家ホテルとして運営しているVMGが活用している建物の一つに、「VMG CAFÉ(ブイエムジーカフェ)」があります。建物は「中村屋商店」。江戸時代末期の安政2(1855)年築、明治から畳の材料を卸すなどの営業をしていたようです。
橋の向こうに見える、中村屋商店(を活用した「VMG CAFE」)。 |
昔の商家そのままに、でもモニターも置いてあったりして。 |
1階・2階ともに飲食が出来る場所となっていて、1階はテーブル席。周りには、当時の金庫や棚階段(階段の下の部分に引き出しが幾つもあって、家具の代わりをする)等も見られます。
入口にも人気の一品を紹介するボードが。 |
1階には昔の金庫や階段も置いてある。 |
ここのお勧めが、その名も「サツマイモ生搾りモンブラン」だそう。
1階はテーブル席なので、正座が苦手な方も安心。 |
テーブルや椅子も素敵。 |
「佐原は農作物の生産が盛んで、サツマイモも美味しいんですね。そのサツマイモの良さを生かしたスイーツが、このモンブランなんです。」
クリームを載せる前のベース部分には、パイ生地に生クリーム、そしてサツマイモそのものもあって、アイスクリームが添えられています。
クリームを載せる前のベース部分には、パイ生地に生クリーム、そしてサツマイモそのものもあって、アイスクリームが添えられています。
1階入ってすぐの所にある、謎の器械。 |
クリームの下には、パイ生地や生クリームなど。 |
一番の特徴は、このサツマイモのペーストを、注文を受けてからこのようにお客さんの目の前で搾っていく事。何と、細さ直径3㎜!!
このペーストを… |
器械の上に設置して… |
「食感も含め、この細さにこだわったんです。」
レバーを手前に引き… |
搾り出す!!細さ直径3ミリ。 |
ペーストを搾った上には、更にサツマイモのチップスを載せていき、完成です。
最後にチップスを飾り付け… |
完成!! |
今回は、2階で頂きます。1階と違って、2階は完全な和室です。
「ここの2階は、且つては泊まって頂いたお客様の食事をする場所として使っていた時期もありました。いまはカフェとして使っています。」
「ここの2階は、且つては泊まって頂いたお客様の食事をする場所として使っていた時期もありました。いまはカフェとして使っています。」
2階は座敷になっている。 |
釘隠しは1個1個意匠が違う。 |
組子細工や欄間など、匠の技が光ります。
「釘隠しも全部違うデザインですし、天井の柾目も全て同じ方向のものを使っています。」
休日ともなると、2階も満席になると言います。
「釘隠しも全部違うデザインですし、天井の柾目も全て同じ方向のものを使っています。」
休日ともなると、2階も満席になると言います。
見事な誂えだ。 |
柾目も一方向に。 |
モンブランを頂くと、サツマイモの強い甘さはそのままに、ペーストを繊細に細く搾る事で、舌触りが滑らかで円やかな食感となるのです。そこに生クリームのもっとあっさりした甘みや、パイ生地のさくっと感、サツマイモチップスの食感の変化と水分が抜けている故の甘みの濃さ、そういったサツマイモの様々な味わい方をぎゅっと一つにまとめた繊細なケーキなのです。
ロケでは床の間の前の席で頂いた。 |
モンブランはペーストの細さ故、繊維質を全く感じない滑らかさ。 |
「サツマイモ生搾りモンブラン」は1200円、コーヒーかティーとのセットで1800円です。
カフェは11時から午後4時の営業、火曜定休です。(つづく)
カフェは11時から午後4時の営業、火曜定休です。(つづく)
VGM CAFEは、忠敬橋のすぐそば。 |
現場ではこんな感じで、モンブランを撮影。 |
ここまでが『ゴジてれChu!』『ゴジてれ×Sun!』で放送した部分です。
ただこの2日目のロケの合間に寄ったところが凄く素敵だったので、そこも紹介させてください。
その6「これぞ老舗商家 蔵に眠るお宝拝見」はこちらをクリック。
ただこの2日目のロケの合間に寄ったところが凄く素敵だったので、そこも紹介させてください。
その6「これぞ老舗商家 蔵に眠るお宝拝見」はこちらをクリック。
蔵を利用したお店。 |
これ、貼り合わせていないのだそう。 |
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